敵を知り己を知ればXSS危うからず

皆様こんにちは。MEの大山です。このブログではお久しぶりな感じです。
このブログ担当が回ってくる間に僕は一児の親となっておりました。現在4ヵ月です。毎日可愛く拝ませていただいてます。

さて、今回ブログのネタとしてあげたいのは「XSS」の話です。
セキュリティ意識というものは各々が持っているとは思いますが、思いがけぬところに穴があってそこから抜け落ちるみたいなことは、他人事ではなく、いつ起きてもおかしくないものです。

MEへ転職したての頃は、主にフロント側の実装を行うのみであまりXSSやセキュリティ面と関係はないものかなと当時は思っていましたが、様々な案件をこなす上で意外な抜け穴が色々あることを知りました。

今回は皆様にも是非知って頂きたい内容を稚拙ながらまとめさせていただきました。

 

XSS(クロスサイトスクリプト)とは?

computer_crime

クロスサイトスクリプト(以下 XSS)とは一種のセキュリティホールであり、サイトの脆弱性をついてユーザーが悪意のある攻撃をしてしまうスクリプトを埋め込まれてしまうことです。歴史的に遡ってみると2000年頃に発生しているようです。

例えばフォームで送信する際に通常であれば名前や住所といった文字列を入力するとおもいますが、ここにスクリプトタグを書き込んで送信されると、XSS対策されているサイトであればタグ囲み部分がエスケープされて実行されませんが、対策がされていないとそのままスクリプトタグを読み込んでしまい、実行がされてしまうといった流れです。

XSS_example

このように動的な要素を生成する場合、XSS脆弱性を発生させやすくなっています。他にも以下の様な危険性があげられます。

  • ページの改ざんによる偽装ページ
  • cookieデータの抜き取り
  • ajaxによる攻撃者のデータ送信
  • etc…

なのでこうした問題を未然に防ぐため、今回はjavascriptの観点からみたXSS対策を考えてみたいと思います。


セキュアなjs記述を知ろう!

フロント側の実装をする際に動的な部分をつくるためにjavascriptで色々と書かれているかと思われますが、XSS対策を意識した書き方でよりセキュアな実装にすることができます。

 

エスケープをする

すぐできる対策であり、割と効果的なものがエスケープ処理です。これは問題を起こしうる特殊文字を文字参照に変換して、実行させないようにする処理です。対応する特殊文字は「&」「<」「>」「”」「’」の5つです。

function escapeHTML(str) {
 str = str.replace(/&/g, '&');
 str = str.replace(/</g, '&lt;');
 str = str.replace(/>/g, '&gt;');
 str = str.replace(/"/g, '&quot;');
 str = str.replace(/'/g, '&#39;'); //&は小文字に
 return str;
}

ちなみにES6であればテンプレートリテラル(=Template strings)を使用して下記処理もできます。

function escapeHTML() {
 var raw = String.raw.apply(null, arguments)
 var safe = raw.replace(/&/g, '&').replace(//g, '>').replace(/"/g, '"').replace(/'/g, ''');
 return safe
}
var input = "<img src=# onerror=alert(1)>";
var html = escapeHTML`<div>${userinput}</div>`;

 テンプレートリテラルの使い方は「`」(バッククオート)で囲むだけです。

 

URLはhttpおよびhttpsスキーム

URLを取り出し、それをデータとして扱う際に気をつけたいことは、javascriptスキームなど複数のスキームを介在させないために、リンク先がhttp://かhttps://なのかを判断して挿入するようにすることです。

var url = decodeURIComponent(location.href);
if( url.match( /^https?:\/\// ) ){
    var elm = document.getElementById("link");
    elm.setAttribute("href" url);
}

javascriptスキームはいわゆるブックマークに登録して便利な機能として使うというのが一般的ですが、それをXSSとして使用されるのを防ぐための策であります。

 

JSONPの取り扱い注意とJSON.parse

JSONPはクロスドメイン、つまり同一のドメインのデータでなくても引っ張ってこれるもので便利なものではありますが、同時に他者が仕組んだ悪意のあるJSONPデータも入り込む可能性があります。

JSONPをまったく使用するな、ということではないのですが使用する際は信頼のあるデータであることを証明した上で使用するのが吉です。

そしてJSONほか外部データを使用する際は必ず JSON.parse関数 を使用してください。これは文字列を JSON として解析するためのものなので、eval関数だとJSONの中に実行文が紛れていると実行されてしまう恐れがありますので意識して使いましょう。

 

レンダリングメソッド使用廃止

主に下記のソースになります。これは上述したエスケープ処理がない場合、確実にXSSの標的になり得ますし、この部分を使って悪用されるおそれがあるかもしれないからです。

  1. element.innerHTML = “…”;
  2. element.outerHTML = “…”;
  3. document.write(…);
  4. document.writeln(…);

 

余談:input patternでバリデーション

jsとは違った観点ではありますが、HTML5のinput要素に「pattern属性」というものがあるのをご存知でしょうか。

これは正規表現を使った入力制限により制限にかかっていないものはバリデーションで弾いてくれるという優れた代物で、特にjsなどのバリデートをしなくてもブラウザに準拠したバリデートが働いてくれます。

<input type="text" name="name" pattern="^[ァ-ンヴー]+$,[\u30A1-\u30FF]*" required>

ですので上述したエスケープ部分の記号が入る必要のない箇所(カタカナ表記、郵便番号など)には正規表現ですでに弾いておくようにすると後々の対応も楽になるかと思います。

参考1:正規表現パターンの記述 – JavaScript | MDN
参考2:HTML5におけるinput要素のpattern、type属性のおさらい


目指すは脱・jQuery!

jQueryはjsライブラリの1つですが、煩雑なコードを容易に記述しやすくして、デザイナーさんにも扱える簡単なもので今も制作会社で広く使用されていると思われます。

実はjQueryでもXSS対策はできるものがあり、それは text() です。受け取る値をテキストデータにエスケープしてくれる代物なのでinputでの入力を即出力するものには適しています。

$('input').on('keyup', function(e){
 $('.hoge').text($(this).val());
});

しかしながら、jQuery自身の長所でもあり弱点としても見られる「DOMの直接操作」部分が割とネックとなってきています。つまりDOM操作によるXSSの介入が起こりうる可能性があるのです。

以前のver.1.6では $(location.hash) の脆弱性が指摘されており、要素の検索や作成などを引数の文字列で判断するため、$()内でスクリプトを記載すると#idで指定したものがそのまま要素として判断されることがありました(ver1.6.3にて修正済み)

http://my-web-app/#<img onerror="alert(1)" src="xxx">
$('#<img onerror="alert(1)" src="xxx">') //ハッシュ値で判断すると左の値で取得する
//<img>タグで処理されるようになってしまう。

jQuery自身もver3.0の更新(2016年5月)があったように、日々使いやすくかつ脆弱性を潰してきて、簡単な装飾程度であれば使用する面では問題無いかもですが、セキュリティ面を考えた上でwebサイト・アプリに使い続けるというのは難しい選択のようにも思えます。

なのでjQueryのみに頼り続けるのは危ないかも、というのを念頭に置いておくと良いかもしません。(※使用をやめろ!と固く禁じる訳ではないです)


仮想DOMを信じろ!

react

上記は素でjsを書いたりjQueryを使用する際の注意点でしたが、中級者以上の賢明なエンジニアの方であればフレームワークを使用した開発をされていると思われます。というか大体のwebサイト・アプリはフレームワーク使っているんじゃないかなと思われます。

有名フレームワークはもともとセキュリティ面を徹底しており、意識しなくともXSS対策をしている状態でスクリプトを書くことが出来ます。その中でもFacebookが開発した「React」は、界隈の中では扱いやすく良いものだと評判のシロモノです。

React は 安全 です。デフォルトで XSS 対策を行っているので、HTML 文字列を生成することはありません。
チュートリアル | React

↑ 公式がそう言ってるんだからすごいに違いない。

ちなみにReactなどの便利なフレームワークの特徴でもある「仮想DOM」の考え方はなかなかよい感じです。

通常のDOM(Document Object Model)はマークアップなどでhtmlに記述してあるもので、それをjQueryなどで直接操作するなどがありますが、仮想DOMは現時点でのDOMの持っている構造をJSONなどに設定してそれをDOMとして吐き出すようにしているので、DOMからの読み込み・書き込みといった処理をする必要がなくなります。

つまり仮想DOMのメリットとしては、生DOM生成におけるXSSリスクをかなり減らせるのです!

ですが生成されたDOMをjQueryなどで触ると意味が無いです。※両者の親和性はかなり悪いとおもわれます…

 ちなみにReactには「dangerouslySetInnerHTML」というhtmlを埋め込む際に、名前からして物騒な、これは危険だよと知らせるためのプロパティがあります。

function createMarkup() { return {__html: 'First &middot; Second'}; };
<div dangerouslySetInnerHTML={createMarkup()} />

XSS攻撃を試してみたい(?!)

以上XSSについての対策や方法論を述べてまいりましたが、実際に色々なXSS攻撃を試してみたいという好奇心過多な方もいるかもしれません。しかし適当なサイトでそういった行為をするのは許されてはいません。

その抑えられない好奇心をどうすればいいか、Googleが公開しているXSSをゲーム感覚で試せるサイト「XSS game」に行ってみてください。

xss_game

こちらでは様々なパターンでのXSS攻撃を体験でき、わからない場合はヒントも教えて頂けるという親切設計になっております。内容はすべて英語となっていますので翻訳しながら見ていただけるとよろしい感じです。クリアするとケーキが見れます。


ブラウザXSSフィルタについて

ちなみに最新版のブラウザー(2016/07現在:Firefox除く)であれば、簡易的なXSSを自動的に排除してくれるXSSフィルターがついています(Firefoxであれば類似のプラグインがあります)。皆さん大好きChromeであればインストールしてすでに内蔵されていると思います。

XSS_filter_chrome

しかしながらフィルタも万全というわけではなく、そもそも誤探知してしまったり、その脆弱性をついてすり抜けてくるXSSも存在していますので、フィルタがあるから大丈夫という油断は禁物です。あくまでも気持ち程度のものとして。

参考:ブラウザのXSSフィルタを利用した情報窃取攻撃 | MBSD Blog


終わりに

以上XSSにまつわる知見についてまとめてみましたが、正直なところ、XSSの分野はセキュリティ領域の中ではかなり複雑・難解なものとなっており、徹底するとなると専門家の意見を聞いたりセキュリティ関連の著書を読むべきではあります。ですがこうした些細なことでもセキュリティ意識をもってプログラミングをすることで、クライアントやユーザーが安心して使えるwebサイト・アプリ作りに繋がってゆく第一歩となります。

今一度自分たちが書いたコードを見返してみて、脆弱性について考えてみてはいかがでしょうか。

それでは皆様、素晴らしきコーディングライフを!

 

参考文献

投稿者プロフィール

ooyama
ooyama
美味しいお酒とプロレス考察を生きがいとしています。
2016年3月に一児の親になりました。
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