DesignShip2018参加レポ

この記事はGEEK Inc. Advent Calendar 2018の20日目の記事となります。 
 
師走お疲れ様です! デザイナーのR(あーる)です。
 
アドベントカレンダーの題材をカレーネタにするかデザインにネタにするか迷ったのですが、
カレーのことばかり書いてると何やってる人か分からなくなりそうだったので、
今回は12月に開催されたDesignShip2018のレポ&感想をご紹介することにしました!
 

DesignShipとは!?

様々な業界における一流デザイナーが集結し、それぞれの叡智や想いを爆発させる、業界の壁を超えた日本最大級のデザインカンファレンス
(コンセプトが壮大…!)
 
16人の公募セッションスピーカー、6人のキーノートスピーカー、15のスポンサーセッションスピーカーという合計37セッションというなんともボリューミーな構成。
「デザインの叡智がここに集結する」というキャッチの通り、ジャンルを超えた豪華なスピーカーの方々が一堂に集結しました。
 
このイベント7/31に公式サイトができてまだ何も内容が決まっていないのにわずか10時間程度で完売してしまうという人気ぶり。

コンセプトだけでチケットが即日完売してしまうあたり期待値が高いことが伺えます。
 
私は12/1の方に参加して、12/2は配信の方で視聴しました。ほんとは2日間行きたかった。。
 

イベントの特徴

  • スピーキングスタイルは勉強会形式ではなくスピーチ形式
  • 全てのセッションがアーカイブ化されて後日ビデオ配信される
  • いくつかのセッションはスライドが事前に公開されているため話に集中できる(没入感!)
  • 資料が公開されるとはじめに案内があるので、撮影する必要がない(パシャパシャ音がない!)
  • グラフィックレコーディングが凄い。セッションが終わるとすぐに公開というスピード感!
  • カフェが貸切になっていてコーヒーが無料で飲める!
  • 体験型のスポンサーブースの数々(UX大事ですね)
イベント自体の設計、配慮がとにかく行き届いていて運営の方々の努力が感じられます。
会場の一体感も含めたUXの提供が見事に実現されていたと思いました。
 
内容については既に沢山の方が記事やまとめを上げているので、興味がある方はご覧ください。
全体的にな雑感としてはとにかく「エモさ」「情熱」を感じるセッションの数々でした。
その中でも個人的に心に刺さった言葉や名言、デザイナーのキャリア・働き方に関わるセッションを中心にまとめてみました。
 
 

オープニング

オーガナイザー広野さんによる挨拶

「リーダーシップでもなく、オーナーシップでもなく、デザインシップを発揮せよ!

半沢直樹スタイルのオープニングトークw 内容は半分くらいしか入ってこなかったですが、とにかく熱量がすごかった。
 
 
 

中西 元男「核拡デザイン」を探求し続けて

日本のデザインの歴史を作ってきた生き字引のような方。
今まで手がけてきたCIは誰でも知る有名企業ばかり。
金言の雨あられで気付いたら説法を聞いているかのような錯覚に陥っていました。
 
 
名言:

経営者にわかるデザイン理論、手法を開発しないとデザインはただの絵で終わる

経営者を納得させられないとデザインは世に出ないという考えから桑沢→早稲田に入ってマーケティング経営を学んだそうです。
この頃から高い視点をもっていらっしゃったんですね。。
 
名言:

21世紀は人間の時代であり、 人間力とは体力、知力、感力の3つ。 「感力」:感力はデザインが主体的に担う領域

感力は数値化できない。どう感じるかどう感じさせるか、そこが勝負所になるとことです。
→まさにデザインの力が試されれる時代になってきていますね。
 
名言:

伝え方より、「伝えるに足る価値の創造」

伝えることの重要性をよく聞きますが、それ以前にそれだけの価値があるものをまず創造しないと行けないとのことです。
 
名言:

優れたシンボルは思想の凝縮である

形としてかっこいいとかきれいだけでなく、これが何を意味しているかを様々な人が価値を共有化して感じ取れるかが重要とのことです。
→シンボルを作る上で形を作るよりも先に、思想をいかに理解するかが大事だと実感しました。
 
名言:

Think Creative 今考えてることはもう古い

常に未来を想像して新しい価値を作っていく
過去の要素を整理をして、新しい組み合わせでいかに価値を生み出せるかが大事とのことです。
→デザイナーとして新しい価値を産み出すには、マーケティング、マネジメント、戦略的視点、経営視点様々な知識が必要になってきそうです。
なんだか気が遠くなってきました笑

 
 
 

佐藤 洋介 クリエイティブを競争力に デザイナーを10倍輝かせる組織作り

なぜ今、デザインと経営が注目されているのかについてユーザーの習慣の変化・リテラシーの向上・期待値の向上などの観点から、実際にデザインを経営でリードする取り組みについて語られていました。

それ、ふつうになってない?(デザイナー向けのミッションステートメント)


ユーザーの習慣変化に対応するために想像力で打破しようという意味が込められているそうです。

組織の中でどのような循環をすれば、「デザイン×経営」の文化が根付くか。


中でも「①環境」の面で取り入れてる施策が印象的でした。

 

デザイナーロワイヤル

すでにリリースされているプロダクトに対し、フィードバックをしまくる会。 普通に共有スペースでやるので、ギャラリーができる。その会議に呼ばれることが名誉になる。自分のスキルをちゃんと示せるとのことです。
→これは是非取り入れて行きたい!

デザインセンター試験 優秀者にはご褒美 Adobe MAX(米)にご招待

社員全体のリテラリーの向上のために定期的に開催されているそうです。お弁当を用意したり、優秀者には豪華なご褒美を用意したりとただ参加して終わりにはならないよう工夫がなされています。
ちなみに「www→クソワロタ」の人MAXに参加されていたようです。努力されたんですね 笑

名言:

多くのデザイナーは強気に見せてセンシティブ

デザイナーはデザインの指摘をされると「自己否定」と捉えやすい傾向があるとのことです。
フィードバックは「感想」ではなく「批評」が重要で、デザイナーはその批評に対して汲み取る努力をしなければならないとのこと。
→ついつい個人的な感想になりがちなので気をつけなければ…!
 
感想:
「それふつうになってない」はPAOS中西元男さんがおっしゃっていた「今考えていることは古い。新しいものを常に考える。」と通じるものがあります。
今までの普通を疑い、新しい価値を生み出すにはデザイナーとしてどのような姿勢で取り組むか、企業としてどのように経営にデザインを取り込んでいくか、そのヒントが得られたセッションでした。
その意味でサイバーエージェントはデザイナーに優しい組織だな〜と改めて感じました。
あとデザイン経営宣言を一読するのもオススメです。
 
 
 

田川 欣哉 越境するデザイン


デザイナーと技術者「どちらも選ばない」という選択から始まり、「越境する」という考えに到るまでの経緯を原体験と共にエモく語られていました。

Takramでの越境


脈絡のないような仕事でも3ヶ月スパンでローテーションしているそうです。

なんでこんなことをするか?
  • 色々なものが結合することで新たな価値が生まれる
  • あらゆる視点を持って視野を広げることで新しいものが見えてくる
→これを実現できているのが凄いですし、それだけの人材がTakramには揃っているわけですね。
別セッションで(株)パーク佐々木さんがおっしゃっていた「オールラウンドデザイナー」とも通づる部分がありますね。
まずは割と近いところから日帰り越境してみようと思います。
 
名言:

デザイナーだけがデザインを考える時代が終わった

  • テクノロジー、ビジネスでも取り入れていくようになった。
  • 浸透させるのはデザイナーの役目。
  • 経営チームの中にデザイナーをおく。企業の中にデザインを真ん中に置いていく。
  • モノゴトが決まってからではなく、初めの段階からデザインを考えよう。
 
名言:

大半の人はドライブ例えて言えばバックミラーを見て運転している。新しい世代の人フロントに見える風景を見ている。

まだ認められていない、認識されていない価値を大事にしようということでした。
→イノベーションの「イ」の字も意識せず、バックミラーばかりを見ている自分に気づいて恥ずかしくなりました。。
 
 
感想:
「越境」というワードはこのイベントの「業界の壁を超える」まさにそのものかと思いました。
強制的に越境することで違和感を蓄積させてそれをセンサーに使うことで新しいイノベーションを生んでいくともおっしゃっていました。
ジャンルの壁の高さについ怯んでしまうことが多いですが、まずは思い切って超えてみることが重要かもしれませんね。
 
セッションで紹介されていた「Takram Cast」はこれから定期的に聞いてみようと思います。
 
 

難波 謙太 ロンドン歴18年の日本人が学んだ欧米のデジタルデザイン


日本でのデザイナーのキャリアパスの問題点、デザインへの向き合い方、言語化の重要性など今のデザイナーが抱えている問題をズバリ解説してくれました。

 

デザイナーはただビジュアルをつくる人ではない

課題を見つけ、解決案を生み出し、それをカタチにするものだと。企画はディレクター、代理店が企画をしてつくるものが決まっていてただ作る人になっている。ヨーロッパではゼロから戦略・企画を考えてカタチにして売るまで責任をもつのがデザイナーの役割のようです。
→日本ではWFが降りてきてあとはよろしく〜みたいな習慣がいまだにあると思います。デザイナーから働きかける必要もあるかと思いますが、組織としてもっと上流からデザイナーを巻き込んでいく姿勢が大事なのではと感じています。
 

日本と欧米のデザイナーのキャリアパス

日本のキャリアパスではディレクター→マネージャーとどんどんデザインから遠ざかってしまう。
デザイナーは本来ものづくりが好きなのに、日本では実現できにくくなっている。
その点海外では、デザイナーとして出世できるキャリアパスが用意されている。
クリエティブディレクター職など、現場と近い距離ところにいられることも可能で一生クリエイターとして行きていける。
デザイナーがデザイナーを育てる環境も整備されている。

→別のセッションでBASECAMPの坪田さんがおっしゃっていた、このまま手を動かさずにマネジメントをしていたら「デザイナーとして死ぬ」という言葉がまさに物語っているかと思います。その結果海外のスタートアップを立ち上げてプレイヤーとして活躍されていますが、日本でもADなどデザイナーとして生き残っていくキャリアパスが当たり前のようになると良いなと思いました。

 

デザインの価値を証明するためにデザイナーがやれること

ブランド観点でデザインをする→ブランドを考えないとただの情報設計でしかない。

  • ブランド・コンセプトからしっかり考えないと、スカスカなデザインになってしまう
  • UXって大事だけど、ユーザー目線に寄りすぎていてブランド観点になっていない

 

分業せずにプロジェクトチームで企画を考える(共創)

  • 人が考えたものをバトンタッチしてデザイナーが形にするのはやめたほうがいい

 

企画はデジタルを超えて良い

  • なんでも良いからデカく広げたほういい。どうせ削られるから。

 

言葉を伝えるトレーニングをする

  • 作って見せるだけではデザインではない
  • 作って売って世の中に出すのが目的
  • デザイナーが伝えなくて誰が伝えるか
 
感想:
キャリアに悩むデザイナーなら誰でも刺さる部分があったセッションだったと思います。
海外に比べてデザインの価値が浸透していない日本では、デザイナーから主体的に価値を証明しなければならないとのことでした。
ブランディング、企画、言語化などやらないといけないことは多岐にわたりそうです…!
業界ではまだキャリアパスについて確かなロールモデルがないと思うので、海外のようにデザイナーとして生き残れる環境が整備されるとみんな幸せになれるのかな〜と感じた次第です。
 
 
 

佐々木 智也 フルスタックより強い、オールラウンドデザイナーのつくりかた


「オールラウンドデザイナー」になった経緯や、オールラウンドになるための【思考、技術、環境】という3つのポイント、オールラウンドデザイナーの可能性について語ってくれました。

 

1流になれなくても超2流になれる! 

一つの武器だと手強い相手が多すぎるけど、武器をたくさん持つことで、そういう人たちと対等に戦える!
なんとも勇気付けられるお言葉。ただ武器をたくさん持つといってもいわゆる「フルスタックデザイナー」はあまりオススメできないとのことでした。
理由としてはデザイナーとしての習熟度が上がりにくいからだそうです。
確かに武器は多いですが一歩間違えると「器用貧乏」になりかねないですからね。
 

オールラウンドデザイナーになるには 山を埋めるのではなく、増やそう。

1つの山を埋めるのは結構大変な話で、ならば、似ている横の山を横断して、山を埋めるのではなく山を増やす方がわりとやりやすい、とのこと。
  • 分野が違ってもそれぞれにシナジーをもたせて成長することが可能。
  • 共通言語があるので、デザイン山同士を行き来しやすい。

感想:
佐々木さんほどのキャリアがあって超2流なら、自分は超3流くらいならなれるか。。とかちょっと悲観的にもなったりしましたが、今後デザイナーとして生き残るヒントをたくさん得られたセッションだったかなと思います。
山を埋めるのではなく増やそうという考え方はまさに「越境!」と思いました。
これまでのセッションで、デザイン×経営×エンジニアリングなど一体どれだけのものを身につけたら良いのかと頭がパンクしそうになりましたが、「オールラウンドデザイナー」という言葉が一番腑に落ちた気がします。
山はいくつあっても良いと思うので、積極的に増やしていきたいですね。
 
 

全体の感想:

全体的な感想としては社会環境の変化や、ユーザーリテラシーの向上とともにデザイナーの役割がどんどん広がっている印象を受けました。
デザイナーのキャリアの面では、言語化の重要性が様々なセッションでも語られていました。
日頃から作ったものに対して言語化して、説明するトレーニングを重ねることが大事ですね…!
 
他にも求められるスキルは多岐にわたっていて、
  • より戦略的な視点からデザインを考える
  • ブランディングを意識したものづくり
  • 職域を超えた業務の理解、知識
がこれからは必要になるとのこと。
これらを全部身についけているスーパーマンはそうそういないと思いますが、まずは日頃の業務から少しずつ意識をシフトすることから始めてみようと思います。
  • 企画を営業、ディレクター任せにせず積極的に参加してみる
  • なるべく外に出て、クライアント・ユーザーとの接点を増やす
  • エンジニアを理解するためにプログラミングを少しかじってみる
    などなど
これから5年後、10年後デザイナーとして生きていくためのキーワードとして
このイベントで出てきた「経営(戦略)×デザイン」が一つの鍵になりそうです。
そのための手段として「越境」「共創」を意識した取り組みがますます重要になってくると感じました。
 
 
自分がこの先どのようにデザイナーとして生き残っていくか。。
正直全然答えが見つかっていません..!
 
一念発起してカレー屋でもやろうかとも時折思ったりもします。
越境し過ぎかもしませんが 笑
 
 
次回は塚田ディレクター(パパ)へバトンタッチします!!
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